1984とスガム

クレヨンで描いたキリン柄のこのシャツの説明文にも書いた「スガム」の反響がすごいのでスガムの話。

スガムとは、我が母校の小学校で一時的に、一瞬だけ流行った小学校の法の目をかいくぐったエポックメイキングなおやつのこと。
小学校はおやつはもちろんあらゆる食べ物の持ち込みが禁じられていました。
何かの手違いでポケットに入ってしまっていたクッキーのかけらでも教室にポロリと落ちようものなら嵐のような例のあのコールを浴びせられる。「いーけないんだーいけないんだー!せぇーんせーに言ってやろー!」

みなさんも身に覚えがあるでしょう。
“先生”と呼ばれる絶対的な権力者を頂点としたピラミッド構造。”いけないこと”はどんな理由があろうと弁護されず糾弾され、”先生”の裁きを受けるのだ。密告者はそこら中に潜んでいる。そう、毎日いっしょに通学するなかよしのマコトくんでさえ密告者になりえるのだ。まさにジョージ・オーウェルの小説「1984」の世界がそこにはあった。

“BIG BROTHER IS WATCHING YOU”(ビッグブラザーはおまえを見ているぞ)

そんな雰囲気の小学校ではおやつを故意に持ち込むような生徒は皆無。
家庭科の授業で作られる”シュークリーム”でさえ厳重に授業内で消費され、家庭科室の外に出ることはなかった。

そこに伝説の男が現われるのである。
といっても名前も覚えていない少年。いや、ビッグブラザーを恐れて名前を覚えられないようになんらかの細工をしていたのかもしれない。

彼は学校にお菓子を持ち込めない、という法を逆手に取った画期的なおやつを開発する。
給食で牛乳を飲むために使われるストローの余ったものを集め、1cm〜2cmの長さに切り揃えたのだ。
それを口にいれてガムのように咀嚼するのである。彼は「スガム」と呼んだ。ストローのガムだからスガムというわけだ。

味こそないものの、噛み心地はガムのそれに近い。そして噛んでいる姿はまさに”ガムを噛んでいる姿”そのものであった。校内でガムを噛む。悪い、悪すぎる。極悪人そのものであった。

スガムの素晴らしいところは3つ。
まず低コストであること。給食の余ったストローでよいのだ。
そして保存に適していること。省スペースで小学生の頃流行ってた巨大な多機能筆箱にそっと忍ばせることが可能。

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これです、これ。みんなこーいう筆箱持ってましたね。

そして3つめの利点は”お菓子を持ち込んでいない”という紛れも無い事実を作り出せること。
ガムとはいいつつもストローを切っただけのもの。これではお菓子を持ち込んでいるとして処罰されることはないのだ。

この画期的発明により、合法的に校内でガムを噛む事が可能になったわけだが、校内で堂々とスガムる奴はおらず、やはりそこはビッグブラザーの影を気にしながら、休み時間や放課後隠れてスガムを嗜む姿が各所で見られた。

そんな画期的なスガムであったが、数ヶ月もすると飽きられ「早く家に帰ってガム食べたらいいじゃん」という新たな思想が広まり、スガム派はフェードアウトしていくのである。

みなさんもぜひストローを切ってスガムを作ってみてください。

あ、シャツもよろしく。

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